Bonheur du jour aux putti
アンティークボヌールドゥジュール
こちらは1852年~1876年に作られたボヌールドジュールです。
扉の内側に残されたサインを紐解き、 1839年から家具製作を手掛けるVedderファミリーの、E.Vedderの作品だろうということがわかりました。
E.Vedderはパリで1852年から1876年に活躍した職人で、非常にハイレベルで装飾性の高い、芸術品としての家具を作ることで名を馳せていました。
このサインの形態はその中でも1859年までに使われたものであるとわかり、製作年は1852年~1859年と、非常に狭い範囲まで絞ることができました。
ローズウッドの寄木模様、ふんだんに使われた質の良いブロンズ装飾、160年経っても歪みのない美しいフォルム、そしてエンジェルが左右それぞれに2体ずつ描かれた陶板・・。
全体像は、美を追求して作られているのがよくわかる、完璧と言っても過言ではない姿。
ボディは店主ロホンの修復により フレンチポリッシュという特別な技法で艶々に仕上げており、ローズウッドの美しさを最大限引き出しています。
そのボディを豪奢に飾るブロンズ装飾も、磨いて積年の汚れを落とすことで彫刻の細部までがはっきりと浮かび上がり 造形の素晴らしさを最大限楽しめるとともに、ブロンズ本来のゴールド色がこの家具全体を何倍も明るく そして重厚に見せる役割を担っています。
そしてフランスアンティークファンを虜にする、エンジェルの陶板。
陶板が付いた家具はフランス現地でも大変人気がありますが、その中でもエンジェルの絵付けのものはやはり誰もが手に入れたい特別な存在。そんなエンジェルが2体も描かれた、大変贅沢なデザインです。
実は陶板の絵も、絵付け師の腕によってその顔やボディバランスなどさまざまなのですが、今回のエンジェルはとても可愛らしい表情とぷくぷくと丸いボディ、花を持って戯れるエンジェルたちの幸せそうな様子がとても良く表現されており、大変高い技術を持って描かれていることがわかります。
ライティングデスクと収納棚が合わさった、ボヌールドジュールという家具。フランス語で書くとBonheur du jour、「今日の幸せ」 という意味です。
ここで愛する人に手紙を書き、また愛する人からもらった手紙や写真を棚に仕舞い、ときどきこっそり出してみては幸せをかみしめ・・この一台の前にいる時間はいつも、この上ない幸せを感じることができるから、
というのがこの素敵な名前の由来になったと言われています。
生涯の相棒として大切にされたという、自分専用の家具。当時誰もが持てるものではない贅沢品であったことは想像に易しく、そのような背景を思うと、ボヌールドジュールという家具が総じて豪奢で質の良い造りをしていることも納得ですね。
当時この家具を贈られた女性が目を輝かせ、おばあちゃんになって子や孫が譲り受け・・そしてこの21世紀に店主ロホンの手で国を越え美しく蘇り、また次のストーリーを紡ぎ始めます。
時代や国を越えてもなお輝き続けるこの一台。その長い長い歴史の片鱗を当店で担える奇跡に感謝の気持ちを。
160年の間たくさんの人の愛を受けてきたこの家具に、次はあなたの愛を乗せていつまでも大切にしていただきたい、至高の逸品です。
タイプ: ボヌールドゥジュール | スタイル: Transition | 年代: 1852 - 1876 | 輸入国: France - Paris |
材質 | ボディ: オーク | 表面: ローズウッド | 仕上げ: フレンチポリッシュ |
サイズ | 横幅: 80 cm | 奥行: 48 cm | 高さ: 134 cm |
商品番号: LPC768 / Sold out | |