Bureau en vernis Martin




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ヴェルニ・マルタンロココビューロー
こちらは1867年につくられたレディビューローです。
フランスの伝統技法であるヴェルニマルタンで全面を覆った、大変レアな逸品。
ヴェルニマルタンの特徴である夕焼けのようなくすんだオレンジに エレガントなロココの宮廷画が描かれ、約150年の経年が作り出すパティーナの 心に染み入るような美しさに 感動すら覚える、素晴らしい一台です。
素晴らしいのはヴェルニマルタンだけではなく、フォルム、構造、ブロンズ装飾のレベル、すべてにおいて一級品であることは間違いありません。
上下左右 どの面も大変優雅なカーブで覆われたボディ。特に背面にも曲面とヴェルニマルタンが施されていることは、壁から離して置ける家具ということ。
つまり、ライティングビューローとしての実用性だけではなく 例えばサロンの中央付近に置いて、半ば美術品のように 訪問者の目を楽しませる役割も担う家具なのです。
美しいボディをさらに高貴なものにしている ブロンズ装飾にも注目です。
4本の脚に付けられたブロンズ装飾はたっぷりのボリュームがありながら非常に繊細で、こちらも背面からもしっかり楽しめるデザインになっています。
彫刻のほりが深く溝の角がしっかりと立ち ブレのない線は、ハイレベルな技術で作られている証。
ボディラインに沿って付けられたシンプルなものもまた美しく、ブロンズ装飾だけとっても大変価値のある芸術品であることがわかります。
さらにこちらが特別なビューローであることは、扉を開けても実感できます。
内部にまで美しい象嵌細工が施され、流線型の引き出しには高級木材の瘤部分が使われるなど 細部のデザインや木材選びにも抜かりはなく、引き出し下の収納部には 開閉にちょっとした仕掛けが施されたオリジナリティ溢れるもの。
ここまで?と思うほど全てに手が掛けられていることには、見るほどに感心させられます。
そして今回 当店主ロホンの修復作業において、ボディの裏に残された「Duc de Châtigny 1867」という文字を発見しました。(Duc=公爵、Châtigny:シャティニ=パリの南西に位置する街の名前。)
おそらく、製作時 さまざまな作品のたくさんのパーツが混在する工房の中で、誰のためにつくっているものか明確化するために残されたメモ書きであり、「シャティニの公爵用、1867年」という意味だろうと予想しています。
またこちらを仕入れたToursという街が まさに Châtigny街に隣接しており、この街に今も残り かつて貴族が住んだ Châtigny城 と無関係であるとは考えにくいことからも、
"1867年当時、Châtigny城におさめるために製作されたものである." という説が非常に有力だと結論付けました。
それが正しければ、この家具はまさに貴族の城で使われていたということです。
これまで私の頭の中にだけ存在した想像の世界が 急に現実味を帯び、この家具の背景が より具体的に広がってきます。
何気ない文字が 156年を越え遠い日本で、我々をこんなにワクワクさせてくれるなんて、当時の職人は夢にも思わなかったことでしょう。
シャティニ城のサロンを訪れる皆の目を楽しませた、素晴らしく美しいレディビューロー。
長い年月を越えて今もなお そしてこれからもずっと 多くの方々の目を楽しませてくれる、稀少な逸品。
この奇跡に感謝しながらずっと眺めていたい、紛うことなきトップレベルの、素晴らしい作品です。
タイプ: ビューロー | スタイル: Rococo | 年代: 1867 | 輸入国: France |
材質 | ボディ: | 表面: ゲッソー/ヴェルニ・マルタン | 仕上げ: ニス |
サイズ | 横幅: 69 cm | 奥行: 46 cm | 高さ: 87 cm |



























