Commode-coiffeuse Biedermeier
ビーダーマイヤー-ドレッサーチェスト
こちらは1820年ごろ作られたドレッサーチェストです。
まず“ビーダーマイヤー様式” について、
ビーダーマイヤーとは、19世紀初めのドイツやオーストリアで 市民の日常に目を向けようという活動で生まれた文化の総称です。
フランス革命によって それまでの貴族系の煌びやかな世界中心の世情が一転し、市民が権力をもった時代。それはフランス内外に強く影響を及ぼし新たな文化を作り出しました。
そしてフランスに絞って言えばこちらはエンパイヤ様式。
ナポレオンが遠征先のエジプトの影響をうけ、建築やインテリアにもエジプトの色が強く出た時代です。
このように、当時のヨーロッパでは他国がさまざまな面でお互いに影響を受けたり与えたりしていたことが、建築、インテリア、装いなどの流行からも読み取ることができるのです。
そんな時代に作られた、今回ご紹介のドレッサーチェスト。
華美な装飾が控えめであり、ウォルナット材のもつ素朴な温かみや強さ、しなやかさがふんだんに感じられる一台。
扉を閉めた様子は一見シンプルなキャビネットですが、天板は上に開いてミラーと仕切り収納(ドレッサー)、そして扉を開ければ中には細かな収納ができる引き出しと棚、本体一番下にも一枚の大きな引き出しが取り付けられ、これでもかと実用性を追求されたお品であることがわかります。
寄木や象嵌などで飾らず「木」をそのまま感じられる本体には、これまでに使われてきた長年の歴史がしっかり刻み込まれています。
この唯一無二の色合いと質感、空気感は長い時間だけが作り出せるもの。たくさんの人の生活が、作り出してきたものです。
飾らない美しさ。余計なものを省きながら、実用性をしっかり備えた良品。まさに当時の時代背景を如実に反映した一台と言えるのではないでしょうか。
古いものは美しい・・改めてまざまざと感じさせてくれる、堂々とした一台です。
タイプ: ドレッサーチェスト | スタイル: Biedermeier/ Empire | 年代: circa 1820 | 輸入国: France |
材質 | ボディ: オーク | 表面: ウォルナット | 仕上げ: ワックス |
サイズ | 横幅: 84 cm | 奥行: 42 cm | 高さ: 86cm/121.5 cm |