Samson
Samson
こちらは、1900年ごろ作られたブロンズ像です。
フランスの有名な彫刻家、Édouard Drouot (エドワール ドゥロー)の作品。
国立美術学校でマチュラン モローなどに師事したドゥローは、神話や寓話にまつわる像を多く製作し、
彼の作品は現代でも フランス国内はもちろんロンドンやアメリカなどの美術館が所蔵しています。
そんなドゥローが製作したこの迫力ある像。
こちらは旧約聖書に登場する英雄、Samson(サムソン)の像です。
この世で一番の怪力の持ち主で、向かうところ敵なしだったサムソン。その強さの理由は、特別に神から与えられた力が “髪” に宿っていたからでした。
サムソンの力の秘密と 髪が弱点でもあることを知った敵は、隙を見て彼の髪を切り取ることに成功し、サムソンを捉えます。
無力なままその後 何日も群集の前にさらされたサムソンでしたが、その間に再び髪が伸びたことで、以前のような怪力を取り戻します。
そして 手にかけられていた縄をまさに引きちぎるその瞬間を、ドゥローは表現したのでした。
この動かぬ銅像からは、サムソンがまるで空気をビリビリと震わせながら雄叫びをあげているかのような、非常に強いエネルギーを感じられます。
晒されている間に痩せてしまったサムソンでしたが、それでもなお強く
積年の恨みを晴らすかのように全身に力をこめて縄を引きちぎっているのが、顔の表情や筋肉の動き、そしてちぎれて宙に舞う縄などからもよく伝わってきます。
溢れるエネルギーと、非常に高いアート性。
この迫力に圧倒されながらも、改めて人間の身体は美しいのだと思わされる、素晴らしい作品です。
※同じタイミングで掲載した、美しい女体のブロンズ像(LPC866 『L'Histoire』)とこの像が実に対照的であり並んだ姿が非常に魅力的だったため、
ディズニーの名作『美女と野獣 : 仏題 La Belle et La Bête 』になぞらえてタイトルをつけています。
当店の ”La Belle” と合わせて、ご覧になってください。
タイプ: 鋳造ブロンズ像 | スタイル: | 年代: circa 1900 | 輸入国: France |
材質 | ボディ: 大理石/ブロンズ | 表面: パティナ | 仕上げ: ワックス |
サイズ | 横幅: 33.8 cm | 奥行: 20.7 cm | 高さ: 53.2 cm |