Secrétaire en tiroir-table
ドロワーテーブルキャビネット
こちらは1880年ごろ作られたドロワーテーブルです。
こちらは ある有名な作品の複製品で、世界の主要な美術館が所蔵する 大変貴重なモデルです。
その大元の『ある有名な作品』を作ったのが、 Berbard II Van Risen Burgh (BVRB)。18世紀フランスのインテリア業界最前線で活躍した、一流家具職人です。
17世紀終盤より続いた父親の工房を、18世紀初頭に受け継いだBVRB。
フランスが最も華やかで勢いのあったその時代に BVRBは、象牙や陶器、また日本の漆を使った家具など、ユニークで豪華賢覧な作品を次々と生み出し、 アート系家具製作の第一人者として名を馳せます。
それらは貴族や王族の宮殿を飾り、かの有名なポンパドゥール夫人も彼の作品を所有し 肖像画の背景にも登場するなど、その高尚な活躍は広く知られていました。
BVRBの作品は現在、ヴェルサイユ宮殿やメトロポリタン美術館、ゲッティ美術館など、世界の主要な美術館や博物館が所蔵し 今もなお人々の目を楽しませ続けています。
そんなBVRBの作品の中でも 今回のモデルは、さまざまな専門書で取り上げられている有名なもの。
BVRB亡き後も 多くの高級家具職人によって複製され、その魂は受け継がれました。
17世紀や18世紀につくられた有名作家の名作は 世紀を越えて何度も複製され続けますが、それをできたのは わずかほんの一握り、高い技術と知識を備えパリの最前線で活躍していた類の、トップ職人だけでした。
それぞれの時代の一級職人たちが、オリジナル製作者への敬意と自身の誇りをもって複製し、それらは19世紀より盛んになるコンペティションや国際万博などで世界中から評価され、製作者の功績となっていきます。
そこには自身の鍛錬で身に着けた技術への誇りに加え、偉大な先代への多大なるリスペクトが 常に込められていたことでしょう。
今回ご紹介のドロワーテーブルもそのような背景で作られ、現在も宮殿や美術館におさめられている名品。
そのうちの一つを、幸運なことに当店主ロホンの手で仕入れてくることができました。
そして当工房にてロホンがすみずみまで丁寧なリストアを施し、丹念に磨き上げて、本来の素晴らしい姿に蘇らせました。
仕入れた時にはこの美しい姿も随分とくすんでいましたが、(それでも確かな品質がありありとわかる 素晴らしいものでした)
元々ポテンシャルの高い品というだけあり、ロホンが最低限の手を入れるだけで 想像をはるかに越える宝石のような姿を見せてくれました。
奇をてらわない上品なデザインであり、端々から一流を感じられるこの美しい小ぶりなテーブル。
ブロンズ装飾や寄木の美しさ、構造の美しさ、材の素晴らしさなどなど、私が説明できる範囲のことがすべて一流を誇っているのは もう ”言わずもがな” 、私の説明など不要の、当然の事なのです。
宮廷に置かれる姿を容易に想像させる高貴で凛とした全体像は、小さいながら圧倒されるほどのオーラを発しています。
誇り高き職人の、至高の傑作。
それがここにあることは 奇跡 と言っても決して大袈裟ではなく、
あなたがこれを実際に目にした時改めて、その言葉が嘘ではないと必ず確信されることでしょう。
私達の先の代まで 未来永劫残していかねばならない、素晴らしい逸品です。
タイプ: カバレドロワーテーブル | スタイル: Louis XV | 年代: circa 1880 | 輸入国: France |
材質 | ボディ: オーク | 表面: ローズウッド | 仕上げ: フレンチポリッシュ |
サイズ | 横幅: 36.3 cm | 奥行: 31 cm | 高さ: 68.8 cm |